「家庭菜園を始めたいけど何を買えば良いか分からない。」
「道具を集めるのが大変で、家庭菜園に挑戦できない。」
「プランターだと、道具は何があればいいんだろう。」
この記事では畑別に最低限揃えるべき道具をまとめました。
- 手軽にプランターで家庭菜園を始めたい人
- 庭で畑を作って家庭菜園を始めたい人
- 市民農園を借りて本格的に家庭菜園を始めたい人
それぞれに必要な道具は異なりますが、自分は何を買えば良いのかが分かります。
農業に関わる仕事を10年以上している「いのっぷ」です。家では娘と家庭菜園をしています。
家庭菜園は必要な道具が多く、なじみが無いので、「何を買えばいいのか?」「どう選べばいいのだろう?」と思う方は多いでしょう。
でも、大丈夫。
ここで紹介する道具を揃えれば、家庭菜園を始められます。
他にも使う道具はありますが、野菜栽培を始めてみて、その都度必要になった物を買い足していけば良いでしょう。
(目次をクリックすると各項目へ移動できます。)
1-1. プランターで家庭菜園を始める場合に揃える道具
プランター栽培は必要な道具が少ないので、試しに家庭菜園をやってみたい方にオススメです。
必要な道具
- プランター
- ハンドスコップ
- 水やり用のじょうろ
- 培養土
プランター
ベランダでも野菜を栽培できます。プランターは移動が容易なため、日当たりや風通しの良い場所を選んで置けます。
野菜栽培では根を張る土が多く必要なので、大きめのプランター(30~50ℓ)を選ぶのが重要です。
鉢底ネットが必要なプランターは別途購入しましょう。土の流出や虫の侵入を防げます。
以下で防虫ネットについて説明しますが、プランターとセットの物を使うと便利です。
ハンドスコップ
プランターへ土を入れたり、苗を植えるのに役立ちます。
子供に自分用のスコップを買ってあげると喜びますよ。
ジョウロ
水やりに使用します。ペットボトルで代用してもOKです。
その場合は土が掘れないように、水を優しくあげてください。
培養土
市販の培養土は野菜栽培に必要な栄養分を含んでいるので、苗を植えるだけで栽培ができます。
乾いた状態だと水が染み込みにくいので、定植時はしっかり灌水してあげましょう。
土は廃棄処分に困ることがあるので、心配な方は可燃ゴミとして処分できる培養土を選ぶと安心です。
野菜の種類により必要となる道具
- 防虫ネット
- 支柱
- 麻ひも
- ハサミ
- 農薬(スプレータイプ)
- 液肥
防虫ネット
害虫から作物を守るために使用します。特にコマツナなどの葉菜は、害虫の被害に遭いやすいので必要です。
無農薬栽培したい人は必ず使いましょう。
プランターとセットの物はサイズがぴったりで使いやすいです。
支柱
トマトやナスなどの果菜を育てるために必要です。支柱に誘引して倒れないようにします。
麻ひも
支柱に野菜を誘引するために使用します。ビニール紐でも良いですが、麻ひもだと分別せずに捨てられるので楽です。
ハサミ
野菜の収穫や、枝の整理などに使います。プランター栽培の規模であれば日常的に使うハサミで充分です。
農薬(スプレータイプ)
農薬使用に抵抗が無い人は、害虫や病気から作物を守るために使用します。スプレータイプの製品はすぐに使え、濃度調整する必要がないので手軽です。
用法、用量を守れば問題ないですよ。
液肥
植物の成長を助けるために追肥で与えます。果菜を栽培する場合は収穫が始まったら定期的にあげましょう。
市販の液肥を水で希釈してじょうろやペットボトルでやります。
液肥は小さいボトルなので収納しておくにも邪魔になりません。粒状の肥料は置いておくのにスペースを取るので困る場合があります。
1-2.庭で小さな家庭菜園を作る場合に揃える道具
必要な道具
- 服装(手袋、長靴、帽子、長袖、長ズボン)
- 平クワ
- 剣先スコップ
- ハンドスコップ
- メジャー
- ヒモ
- 板(15cm×80cmくらいの大きさ)
- ジョウロやホース
- 土壌改良用の土
- 肥料
服装(手袋、長靴、帽子、長袖、長ズボン)
家庭菜園を楽しむための最初のステップは適切な服装です。冗談のようですが、大事なポイントになります。
ケガをしたり、熱中症になったり、蚊に刺されたり。
そんなことで家庭菜園が嫌になるのはもったいないですよね。
また、作業用に汚れても良い服を用意すると、作業効率があがります。
手袋はゴム張りの軍手がオススメです。手が滑らないだけで、作業を楽にできます。
土を素手で触ると手が荒れるので、女性は特に手袋必須です。
長靴は水や土が入ってこない点がメリットです。スニーカーで畑に入ると土が大量に入ってきて不快です。また、家に土を持ち帰って汚してしまいます。
ショートブーツもありますが、畑の中に入るなら通常の長靴がオススメです。
帽子は日差しから守るために必要です。夏場は必ず着用しましょう。最近は暑いので、熱中症になることが多いです。
オススメは麦わら帽子で、うなじの方まで守れます。家庭菜園はしゃがみ仕事が多いので、後ろからくる日光にやられます。
日差しやケガ、虫から身を守るために夏でも長袖、長ズボンがオススメです。最近では速乾性の長袖が売ってあります。
外で作業する場合はなるべく地肌を出さないようにしましょう。直射日光にあたると疲れますし、農具は慣れないとケガをすることも多いです。また、蚊などの虫からも守れます。
平クワ
クワには色々な種類がありますが、うねやベッド作りには平クワが便利です。溝を掘って、土を盛るのに役立ちます。

剣先スコップ
剣先スコップは硬い土を掘ったり、土を移動したり、畑を耕したりするのに適しています。別の形で先が四角い角スコップがありますが、掘ったり、耕したりするのには向いていないので、1本目は剣先スコップを買いましょう。
耕すクワの代わりにもなるので、万能な道具です。

ハンドスコップ
ハンドスコップは苗を植えるときに便利です。また、マルチに土を乗せるときなど、細かい作業に使えます。
メジャー
メジャーはベッドの寸法や株間を測るために使用します。
ビニールヒモ
ベッドを真っすぐ作るため、溝を切るときに目印として張ります。伸縮性が無い物が良いです。
板(15cm×80cmくらいの大きさ)
小さい家庭菜園では板は便利な道具になります。
ベッドを押し固めるたり、上を慣らしたりするのに使えます。メジャーで長さを測って書いておけば、ものさし代わりにもなるので、一つ持っておくのがオススメです。

ジョウロやホース
植物に水をやるためにじょうろやホースが必要です。
屋外に水道があればホースがオススメです。しかし、ジョウロでも小さい家庭菜園であれば問題ありません。8ℓくらい入る大きめのジョウロを買いましょう。
土壌改良用の土
宅地造成に使われる土では家庭菜園ができないので土壌改良が必要になります。
オススメは黒土を入れることです。保肥力、保水力が向上して野菜栽培に適した土になります。
肥料
肥料は堆肥と化成肥料、苦土石灰を使用します。
堆肥は植える一か月前に牛糞堆肥を入れてあげます。土壌改良の効果と緩やかに効く肥料成分があります。
化成肥料は植える1週間前に入れてあげます。製品によって成分量は色々な物があり「チッソ:リン酸:カリウム=8:8:8」などがあります。成分量によって施用量を計算して撒きましょう。
苦土石灰は畑のPHを調整するために入れます。雨が降ることで畑は酸性に傾いていくので、アルカリ性の石灰を入れることで野菜栽培に適した弱酸性にしてあげます。
野菜の種類により必要となる道具
- レイズドベッド
- マルチとマルチストッパー
- 防虫ネットとダンポール
- 支柱と誘引するバンドや麻ひも
- ハサミ
- 収穫包丁
- 農薬(スプレータイプか霧吹き)
レイズドベッド
土壌改良をするのが大変な人は、レイズドベッドを作って栽培に適した土を入れてあげるのがオススメです。
以下のような製品で簡易的なレイズドベッドを作ってみましょう。
マルチとマルチストッパー
コマツナやホウレンソウのように直播きする野菜以外はマルチを使用するのがオススメです。
マルチには「透明」「シルバー」などがありますが、初心者の方は「黒マルチ」を選べば間違いありません。

マルチの効果は以下の通りです。
- 保温
- 乾燥防止
- 肥料成分の保持
- 泥はねを抑えて病気予防
- 雑草抑制(透明マルチ以外)
マルチを張るのは手間がかかりますが、慣れると簡単です。除草の手間が減るので、かえって楽になります。
マルチをすると野菜の生育が良くなりますよ。
また、マルチを一人で張るのは大変ですが、マルチストッパーで固定しながら張ると簡単です。

防虫ネットとダンポール
防虫ネットは虫から野菜を守るために使用します。家庭菜園では虫の被害を抑えることが重要です。
農薬を使っても虫害を抑えることは難しいですが、ネットで覆ってあげれば確実です。失敗することが少なくなりますよ。
農薬を使いたくない人は必ず使用しましょう。

支柱と誘引する麻ひも
果菜を栽培するには支柱が必要です。支柱に植物を誘引するために麻ひもを使用します。

ハサミ
ハサミは収穫や枝の整理に使用します。
小さい家庭菜園であれば文房具用のハサミで充分です。
収穫包丁
収穫包丁はキャベツやハクサイなどの大型葉菜の収穫に使用します。
泥汚れがついてもいいなら、普段使っている料理包丁でもOKです。
農薬(スプレータイプか霧吹き)
虫害や病害の対策に農薬が必要な場合があります。小規模ならスプレータイプや霧吹きで散布できます。
1-3.市民農園や庭に大きい家庭菜園を作作る場合に揃える道具
必要な道具(詳細は1-2と同様)
- 服装(手袋、長靴、帽子、長袖、長ズボン)
- 平クワ
- 剣先スコップ
- ハンドスコップ
- ヒモ
- ジョウロやホース
- 土壌改良用の土(家庭菜園の場合)
規模を拡大するために必要な道具
- クワ(耕すため)
- 田引(たびき)
- 巻き尺(メジャーの代わり)
- レーキ(板の代わり)
- 草削り
- 農薬噴霧器
備中鍬
市民農園を借りて規模が大きくなるとスコップで耕すのは大変なので、耕すためのクワが必要になります。
初心者では高く振り上げて思い切り振りおろす人がいますが、危険なのでやめましょう。
田引(たびき)(ビニールヒモの代わり)
大きな家庭菜園では田引を買うのがオススメ。田引とは畝を切るときに目印としてヒモを張る道具です。
畑が小さいうちはビニールヒモで代用できましたが、畑が大きくなると田引を使った方が効率的に作業できます。
巻き尺(メジャーの代わり)
畑が大きくなると巻き尺を買うと良いです。
メジャーでは長さが足りない可能性があり、土が入ると壊れやすいです。
レーキ(板の代わり)
レーキは地面をならしたり、ゴロ土を除く道具です。
大きな畑では板で地面をならすのは大変なので、立ったまま作業ができるレーキを買うのがオススメです。
草削り
家庭菜園を広げると雑草の管理が大変になります。
しゃがんで全て抜いているのでは、草が生えるペースに追いつけません。草削りがあれば立ったまま除草が楽にできます。
農薬(農薬噴霧器)
大きい畑になるとスプレータイプや霧吹きでは大変なので、手動の噴霧器を買いましょう。
農薬をやるときは、ムラなくしっかりかけないと効果が出ないので噴霧器がオススメです。
ちなみに、動力付きの噴霧器は家庭菜園では必要ないですよ。
野菜の種類により必要となる道具(1-2も参照)
- マルチとマルチストッパー
- 防虫ネットとダンポール
- 支柱と誘引するバンドや麻ひも
- ハサミ
- 収穫包丁
マルチとマルチストッパー
広い畑になると除草が大変なので、黒マルチの使用をオススメします。
初心者が失敗する原因の一つは雑草対策をせずに広い畑で栽培して、管理しきれなくなることです。
黒マルチを使用すれば、株元の草を抜き、通路を草削りでさっと削ればOKです。
防虫ネットとダンポール
家庭菜園の規模が大きくなると、防虫ネットを張るのがやや大変ですが、手伝ってもらえる人がいるのであれば使用するのがオススメです。
支柱と誘引する麻ひも
果菜を栽培するために支柱と麻ひもを使います。
栽培に慣れたらアーチを作って、雨よけにしたりキュウリネットを張ったり、色々できますね。
ハサミ
ハサミは収穫や枝の整理に使用します。
園芸用ハサミを使うと作業がしやすいので、規模を拡大する場合は購入しましょう。
収穫包丁
たくさん大型の葉菜を栽培するのであれば、収穫包丁を購入しましょう。
料理包丁とは違い、先端も切れるのでキャベツやハクサイを収穫しやすいです。
最後に
家庭菜園を始める人が畑を決めたら、次にぶつかる壁が道具を集めることです。
農業に馴染みがなければ、何が必要か困っているかもしれませんが、ここであげた道具を揃えれば家庭菜園を始められます。
あとはやっていく中で欲しい物を買っていくといいでしょう。
やっぱり道具を揃えるのは大変そうなので、家庭菜園をやめとこうかな
という方はシェア畑がオススメ。
全て道具、肥料、種苗が揃っているので、自分で用意する手間がありません。
一度シェア畑でやってみて、必要な道具を確認してから、自分の畑を始めてみるのも良いですよ。
道具を揃えてから、実際に栽培をする方法は以下の記事にまとめてあるので、読んでいただけると嬉しいです。